バタクト

社会を楽しむための学びの共有ブログ

できればサンタは来てほしい ーフィリピンのマニラで睡眠薬強盗に遭って20万円程の損害を被りましたー

こんにちは!本日の学びを共有します。

 

本日の学びは題の通り、

フィリピンのマニラで睡眠薬強盗に遭って約20万円の被害を受けた話です。

 

 

時は12月の週末、金曜日に有給を取って3日間でマニラに行ってきました。

 

ぼくはひとり旅を大変好んでおりまして、

主に学生時代に30カ国、

社会人になってからも『「世界は広い」を知る』をテーマに、

年に一度は途上国を中心に訪れています。

そんな今年はマニラ。

セブパシフィックを利用して福岡から往復で3万円という価格故の選択でした。

 

 

コトが起こったのは2日目。

渡航の目的も何もあったもんじゃないし、

何よりマニラというところは大変面白みのないところでして、

特にやることもなくてフラフラと歩いていました。

 

すると声をかけてくる陽気なフィリピンおばさん二人組。

「何しているの?」

「ショッピングモールにでも行こうかと」

「地元の人がいくマーケットの方が面白いよ!」

友達と遊びに行くついでだからタクシー代も出してあげるし一緒に行こうよ、

というのでついていきます。

 

 

その後に起きることから考えれば、安易じゃない?といったところですが、

ひとり旅っていうのはそういうものと思います。

面白そうだと思えば飛び込む、自ら巻き込まれに行く、

逆に警戒しすぎてなんの行動も起こさないのであれば何も持ち帰れません。

 

ただ気を付けなければならないのは、

相手が誰か、というのと、そこがどこか、という2点で、

今回はフィリピンという国を甘く見積もりすぎていました・・・

 



声をかけられたのは11時頃だったでしょうか。

その後、確かに案内されなければ来ないような地下マーケットにいって、

吊るされている豚をみて、雛の入った卵を買い、フルーツを食べました。

 

お昼時、食料を買い込んで入ったのは薄暗くて汚いカラオケルーム。

マーケットのまずいフィリピン料理を食べ、

昭和のカラオケ設備でビートルズと宇多田を歌い、

安いビールに程よく酔っ払い、

いつの間にか増えて6人になったフィリピン人たちと楽しみました。

 

100ペソでいいよ、と言われ、悪いね優しいね、と思いながら。 

 

 

15時頃、次はどこへいきたいかと問われたので、カジノ、と答えると、

いいところ知っている、バスで1時間だから一緒に行こう!

そこで夕飯も一緒に食べよう!なんならみんなで泊まろうか!という話に。

 

思い返すと逃げる最後のタイミングはここでしたね。

まあ、逃げきれないでしょうが。

 

 

マニラの郊外部から長距離バスに乗車。

バスでは色んな物売りが乗り込んできて、

ピーナッツやらドーナッツやらバナナやらの販売。やかましい。

その都度、買い与えてくれるやさしきフィリピン人。

 

1時間のはずが3時間は走るバス。

 

ウトウトしてきたぼくに、

カバンはちゃんと抱えておきなさいと忠告するやさしきフィリピン人。

 

徐々に建物がなくなり田園が広がり不安にさせるような風景。

 

 

ようやく着いたのはアンヘレス という場所。

マニラから小旅行で行くような歓楽街のようです。確かに、なんだか楽しそう。

 

ゴーゴーバーもカジノもあるよ、と街を一周観ます。

まずは夕飯を、ということで、

これまた地元のボロレストランにこれまたカラオケにこれまたビール。

 

テンションをあげるように、

食べ、呑み、歌い、踊るおばさん、おじさん、お姉さん。

いつの間にかつられるぼく、もといアホな日本人男子、いやタダのカモ。

 

 

夜20時頃でしょうか。宴もたけなわ、一旦ホテルへいきましょうということで終了。

最後の記憶は、ベットが6つ並んでいる殺風景な部屋を見て、

「妙だな」と思ったのと、「ああ寝れる」と安心したことです。

 


f:id:kei-capan:20191222155832j:image

 

次の瞬間には朝でした。

その日は帰国日。

もうマニラに行かなきゃよ!!!と行って起こされて長距離バスに押し込められました。

 

昨日は一緒にバスに乗ったのになぜ?というか他の5人は?

あれ、なんか頭がクラクラする、、、これは、、ヤバイ。

 そう思ってすぐに荷物のチェックをしましたが、

モノは何もなくなっていませんし、お金もあります。

 

よくわからないままバスに乗ってタクシーを乗り継いで空港にはなんとか間に合いました。

 

 

しかし、空港で何をやっていたのか、

意味不明なお土産を手に搭乗ロビーでボーとしていたら、

目の前で呆気なく搭乗時間を見逃していました。

必死に抗議しても時すでに遅し、そこはLCC、厳格です。

 

翌日の月曜日の仕事は休むわけにはいかなく、

急いでJALの東京経由の深夜便を6万円でネット予約して

空港で8時間過ごして待ちました。

そしてようやく、月曜日の朝6時に福岡に帰って来たのでした。

 

 

 

その間といえば、

財布から日本円2万円がなくなっていることに気が付きやっぱりなと思い、

余分に6万円を払ってしかも朝帰国になったことへの後悔があるだけでした。

 

出勤してから、顔色悪いとか目が変とか体調悪そうとか言われても

そりゃ寝不足ですからとしか考えていなかったし、

その後の1週間で異様にイライラが募りながら仕事していたのも、

疲れのせいだと考えていました。

 

 

本当の被害に気が付いたのは帰国後、1週間後の昨日。

マネーフォワードをチェックしていると身に覚えのないキャッシング履歴が、計10万円。

 

そこでやっとネットを検索してみると、大量の「睡眠薬強盗」の事例、そして外務省の注意勧告。

 

【安全対策情報】睡眠薬強盗と置き引き等の被害について(注意喚起) : 在フィリピン日本国大使館

 

なんのことはない。

よくある手口に乗っかってマニュアル通りにことを運ばされただけでした。

 

意識は朦朧、記憶は喪失なので真相はわかりませんが、

多分、睡眠薬やら変な薬やらをマンゴーか何かに混ぜて体内に入れさせられ、

クレカの番号をはかされたか、自分でボタンを押したのか、

とにかく好き放題されてしまったということのようです。

 

その強力な薬の影響で、

空港で正常に行動できず、福岡に帰るまでの記憶もほとんどなく、

そのあとの1週間でまともに働けなかったのです。 

 

 

 

今回の被害総額は188,764円。内訳はキャッシング、クレカ利用、飛行機代、元々予約していたホテル代でした。

 

この記事を書こうと思ったのは、注意を喚起したいと思ったからではありません。

もし日本人の誰かがこれ以降に同じような被害に遭ってしまった時に、少しでも救われて欲しいからです。

ぼく自身、明細をみて途方に暮れ、行き場のない焦りと怒りを感じた時に、

同様に被害に遭われた方のブログ記事を読んで救われました。

 

不謹慎かもしれませんが、実際、そんなもんです。

自分だけじゃないんだな、アホだったな、

そう思えることが落ちそうな自分を助ける感情に繋がります。

 

 

こんなことが起こると、考えることは増えます。

今回はお金の被害だけでしたが最悪はもっと色々と考えられます。

もし、クレカのキャッシングができなければお金は取られていなかったかもしれませんが代わりになくなったら困るモノや自分の身体が被害を受けていたかもしれない。

 

これまでは「信じる」という言葉は抽象的だなと曖昧に受け止めていましたが、

「信じられないこと」「裏切られること」があると、

純粋に「信じること」の大切さを痛感するし、痛感は具体性を持って理解を促進します。

 

また、今回、彼らに渡ったお金は10万です。

彼らからしたら大金であることは間違い無いですが、

それでも一人当たりは1万円ちょっとです。

一日をかけて、逮捕されるリスクもかけて、また多少なりとも良心を失ってまで手にするには虚しい額と思わざるを得ません。

 

やっぱりそこにはどうしようもない経済格差が存在し、

ぼくらの生活は、実は、失った20万円でなんか償えないほど、

彼らの犠牲の上に成り立っているものだという事実を突きつけられるのです。

 

 

3日後にはクリスマスです。

どうかうまくぼくを騙くらかしたそのお金でよいクリスマスを過ごせるように、

そしてできればぼくのところにもサンタが来ますように。

 

いや、サンタは来なくていいから、

これ以上の被害は受けたくない、ていうのが本音です。

 

今週のお題「クリスマス」

 


f:id:kei-capan:20191222155919j:image


f:id:kei-capan:20191222155943j:image


f:id:kei-capan:20191222160010j:image


f:id:kei-capan:20191222160037j:image


f:id:kei-capan:20191222160057j:image